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《要注意》新型コロナウイルス(COVID-19)に関するデマ情報が蔓延中

2020年1月から中国の湖北省武漢が発端となり、日本国内でも感染が拡大してきた新型コロナウイルス『COVID-19』。感染力が非常に強く、世界中に広がっています。

2020年2月27日現在、日本は世界で3番目の感染者数(919人)を確認しており、連日のようにテレビや新聞のニュースで多くの情報が発信されています。インフルエンザとは異なり、明確な対抗手段が明かされていないため、情報に敏感になっている方も多くいらっしゃいます。

そんな中、SNSを中心に偽情報が飛び交ってしまっているのを確認しました。
まだまだ新型コロナウイルスからの防御または治療に関する情報が少ないため、新しい情報が正しいのか、間違っているのかを見分けることが難しく、偽の情報にまで踊らされてしまうことがあります。

日本人は「他の人の役に立ちたい」という正義感が強いため、「有力だ」と思える情報はつい即座にシェア(拡散)してしまいがちです。今回のような未知のウイルスに関するデマが広がってしまうのは非常に危険であり、間違った予防法を取ることで感染する可能性を高くすることもあります。

ウイルスだけでなく、自身がデマ情報に『感染』し、シェアをすることで世間に『蔓延』させてしまうこともできるわけです。そうならないよう、特にSNS利用者にとっては注意が必要です。

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確認している偽情報について

以下のような偽情報が拡散されています。

発信者は『武漢研究所に派遣されている米国人の友人』を持つ看護師を装っています。

流れている誤情報の1つ

対策部分を要約すると、

  • ウイルスは耐熱性がないため、36-37度の温度で殺せるので、お湯を飲むことが対策になる
  • 低温の中では長期生存するので、冷たいものを飲んではいけない
  • ウイルスの直径が400-500nmのため、マスクで飛散を防げるが、マスクが無いと3メートル離れても飛んでくる
  • ウイルスは金属の表面に付着すると12時間以上生存
  • ウイルスが衣服に付着すると6-12時間生存
  • 洗濯洗剤、または太陽の下でウイルスを殺せる

デマであることが確認できる点

まず、以下の記事でも紹介されていますが、「ウイルスが36-37度で殺せる」ということは絶対にありません。完全なるデマです。

新型コロナウイルス『お湯を飲んで予防』のデマ拡散。専門家は「常識的に考えてありえない」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/hot-water_jp_5e54987fc5b66729cf6120e9

The Huffington Post Japan

もし36-37度で殺せるのであれば、人の体に侵入した時点で死滅しているはずです。「38度の熱が出続ける人もいる」というニュースもあったように、ある程度は熱に対して耐性を持っていることは確かです。

もちろん、この中には正しい情報も含まれているかもしれませんが、デマが1つでも含まれている時点で、しかも「ぜひ多くの皆さんに伝達してください」という拡散目的のメッセージが含まれているため、第一に信憑性を疑う必要があります。

偽情報の見分け方

拡散を煽るメッセージ

冒頭と最後に「ぜひ多くの人に伝えてください」と拡散させたがっています。デマ情報を流す人は広く世間に知れわてることを目的としているため、人の善意につけこみ、拡散を煽ろうとします。

情報のソースが不明

今回で言えば、「武漢研究所に派遣された米国の友人を持つ看護師」が発信していることになっています。医療機関に従事する人を発信者にすることで、メッセージの信頼性を得ようとしています。

万一、情報のソースに明確な個人名が書かれているとしても、個人が単独で発信することはなく、研究所が世界に向けて発信します。例えば、新しい惑星を発見した時、その研究者の一人がSNSに投稿するよりも先に、その研究チームが記者会見で発表します。しかも、事前にマスコミに概要が知らされ、記者会見よりも先に世間に報道されることがほとんどです。

誰でもできることが書かれている

今回で言えば、「36-37度でウイルスを殺せるから、お湯を飲めばいい」「洗濯洗剤で殺せる」「太陽の下においておけば大丈夫」が該当します。

「お湯を飲む」「太陽の下に置いておく」という『誰でもできる』ことで解決できるのであれば、これほど死者が出ることはありませんし、とっくにテレビや新聞のニュースで報道されていてもおかしくありません。もちろんアルコールや洗剤で清潔を保つことは良いことですが、『対策』と言えるかどうか現段階では不確実でしょう。

デマ情報に踊らされないために

感染力が強いウイルスであるため、どうしても不安になってしまい、少しでも有力な情報にすがりたいのは人間の本能として仕方のないことです。

しかし、デマを信じてしまうとあなた自身が『感染源』となり、新たな感染者を増やしてしまうことになります。

感染拡大期はインターネットを中心にさまざま情報が飛び交いますが、テレビ局や新聞社等、正式な報道機関で報道されていない情報は疑いましょう。『誰でもできる』対策であれば、SNSで出回るよりも先にテレビ等で発表されることは確実です。

少しでも感染を食い止められる情報であれば、報道されない理由はないので、少しでも「ニュースで聞いたことのない話だな」と思ったらインターネットで調べてみましょう。報道された情報であれば、必ずインターネットで見つかります。

特に現在はSNSを使って不特定多数に対して簡単に情報共有ができてしまうため、まずは「家族・知り合いに流しても大丈夫な情報かどうか」セルフ・コンプライアンス・チェックをすることが重要です。

OUT A TIMES編集部