映画『ツレがうつになりまして。』に学ぶ夫婦のあり方

2011年公開。堺雅人、宮崎あおい主演『ツレがうつになりまして。』は漫画家である細川貂々さんの実話を基にしたストーリー。2009年には原田泰造、藤原紀香主演でドラマ化されています。

妻である漫画家の晴子(宮崎あおい)から「ツレ」と呼ばれる幹夫(堺雅人)は、仕事での激務とストレスから「うつ病」であることを診断される。治療に半年~1年半かかるため、晴子の後押しもあり、会社を退職して自宅で療養することに。気分が良い日もあれば、落ち込んでしまう日々を過ごしたり、自殺未遂をしてしまったりもする。

教会での挙式イメージ

幹夫・晴子が結婚式を挙げた教会では、同時期に結婚式を挙げた夫婦が集まる『結婚同窓会』というものが毎年開催されており、それぞれの夫婦は想いをみんなと共有する。そこで、幹夫は「うつ病」の治療中であることを告白し、晴子は結婚式で誓った次の言葉を引用します。

病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
夫(妻)として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?

結婚を決める時、ほとんどのカップルは楽しい未来ばかりを想像しますが、何十年も一緒に過ごすので、「健やかなる時」だけでなく「病める時」もいつかは訪れるでしょう。もしかすると「貧しき時」もやって来るかもしれません。幹夫のように「うつ病」になってしまったり、大きな病気をしてしまったり、要介護になる可能性もあります。

支えあう夫婦イメージ

そんな、一緒に力を合わせて乗り越えられるかどうかという時に、夫婦の真の絆が試されるように感じます。もしできない場合、夫婦を続けていることは難しいでしょう。詳しい理由は語られませんが、『ツレがうつになりまして。』の劇中では結婚同窓会5年目を最後に離婚してしまうカップルも出てきます。

平成27年度の厚生労働省の調査によると、日本の離婚率は35%(婚姻件数:63万件、離婚件数:22万件)だそうです。昭和から平成へと時代が替わって転職が当たり前になったように、お互いがより幸せになるために離婚も一つの選択肢であると言えます。しかし、婚姻は異なる2つの家族が結び付き、離婚時には子供がいるケースもあり、余程のことが無い限り離婚は避けた方が良いでしょう。

婚姻届けを提出するその日から、夫婦で助け合う力(=夫婦力)を少しずつ育み、どちらかがピンチを迎えた時に夫婦力を存分に発揮して乗り越えれば、きっと以前よりも幸せな二人になれると感じさせられました。

映画オススメ度:☆ ☆ ☆ ☆ ☆

よろしければ、『ツレがうつになりまして。』の原作もご覧ください。

OUT A TIMES編集部